高級品小売店LVMHが株価急落にどう向き合うか

LVMHグループは中国市場での最初の受益者であり、売上高は毎年2ケタ成長を続けている。現在、グループは中国市場が過度に飽和し、販売成長が減速していると主張している。プラダは2014年の売上高低下の主な原因を中国市場の不振にまとめた。Gucciは最近、中国で大幅に値下げし、販売が遅れて溜まった在庫を整理している。

上証指数は16取引日で1500ポイント近く急落し、28%を超える下落幅で中国株が不安を募らせた。中国株式市場の急落は西側の高級品小売商会にどのような影響を与えているのか。米国のウェブサイトのこの記事を通じて、その心理状態と反応を垣間見ることができる。

Bomoda ConsumerIntelligence最高経営責任者ブライアンBuchwald氏はこう述べた。「多くの高級ブランドの上層部が中国消費者の重要性を低下させていることに気づくだろう」。これらのブランドの上層部はかつて中国市場を大々的に拡大すると公言していたが、彼らは今では黙々と拡大姿勢を低くし、一定の距離を置いている。フランスのLVMHグループ、ケリンググループ、スイスの暦峰グループなどの世界的な高級品大手は、中国の消費者の高級品消費能力が低下しているという事実を受けて、次々と戦略調整を行っている。

金融アナリストは、中国市場のリスク評価に時間を費やすことなく、中国で限られた拡張戦略を実行している小売業者に拍手を送った。Bernstein研究会社アナリストのAnne-CharlotteWindal氏は最近、Tiffany株の格付けを「大皿並み」（marketperform）から「大皿に勝つ」（outperform）に引き上げた。Tiffanyは中国ではCartierに次ぐ2番目に贅沢なジュエリーブランドで、店舗数を見ると、Tiffanyの中国での30店舗はCartierの38店舗より少ない。Windal氏は、「Tiffanyの大中華地域での拡張度は競合他社に比べて小さく、香港・マカオの消費低迷や大陸経済の先行きの不確実性の環境下では、かえって優位になっている」と述べた。

Burberryは迅速に反応し、2015年度には中国で10店を閉鎖しており、2016年度には5店ほど閉鎖する予定だ。Burberry氏は最新四半期決算で、（2015）下半期、高利益市場の崩壊に伴い、中国消費者の消費能力が低下していることを見たと述べた。Burberry5月に慎重なコメントを出した後、株価は3カ月ぶりに12%下落した。

一部の高級品小売業者は急いで中国市場から撤退したが、コンサルティング会社は依然として中国消費者に期待を寄せている。世界的に有名なコンサルティング管理会社McKinsey&Co.（マッキンゼー）は、中国の消費現状が不安定で予測が難しいことを否定しないが、この市場が良いニュースをもたらすと信じている。マッキンゼー氏は、中国の可処分消費は2010年から2020年までの10年間で7%以上増加し、半必需品消費は毎年6%-7%増加すると予測している。マッキンゼー氏は、中国の消費者のパフォーマンスが世界中に驚きを与え続けると信じている。

しかし、コンサルティング会社が上記のような素晴らしいビジョンを打ち出した時、中国株式市場はまだ暴落していなかったことを知っておく必要がある。今、もし中国の株民が保有株を売ることができなければ、彼らの富は必ず影響を受け、このように贅沢品消費は必然的に制限されるだろう。また、多くの中国企業は株式をローン担保としており、株式が自由に取引できるようになったときには株式が暴落している可能性が高く、一連のローン事件（最も直接的なのはローンが回収できないこと）を引き起こす可能性が高い。株式市場と金融安定を最大限に維持するために、中央銀行と中国証券監督管理委員会は全面的な救済案を打ち出したが、中国の消費者が少しも影響を受けていないといえば、不可能だ。

Hermèsが以前発表したデータによると、今年3カ月前の売上高は前年同期比9.6%増加した。一部は上海旗艦店（下図）の開設によるものだが、現在小売業者が発表しているデータはすべて株式市場が崩壊する前で、脱線しているため、消費者は影響を受けていないように聞こえ、実際の結果は株式市場が解凍した後に出てくる。